講義概要・目的
この演習は、青森県の強みである農水産物を活かした加工商品開発や、観光客向けの商品開発(お土産品や菓子など)を行うために必要な事業計画の立て方を学ぶことを目的に実施するものである。受講者は、チーム学習によりこのプロセスを経験しながら「商品開発」「マーケティング」「ブランド価値の向上」など食に関わるビジネスに必要な能力を身につけることとしている。
講義プログラム
実施日時 | 講義タイトル | 講師 |
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10月22日(月) | イントロダクション | 森樹男 弘前大学人文社会科学部教授 |
第1回講義(16:00~17:30) 「食品マーケティング①(ブランド)」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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第2回講義(18:00~19:30) 「食品マーケティング②(グローバル化)」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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10月29日(月) | 第3回講義(16:00~17:30) 「食品開発の基礎」 |
前多隼人 弘前大学農学生命科学部准教授 |
演習①(18:00~19:30) 「食ビジネス事業計画作成」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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11月15日(木) | 第4回講義(16:00~17:30) 「あずましくじょっぱる経営戦略」 |
田向常城氏 有限会社田向商店代表取締役 |
演習②(18:00~19:30) 「食ビジネス事業計画作成」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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11月26日(月) | 第5回講義(16:00~17:30) 「理容師からもの作りへ」 |
高森暖氏 株式会社エイ・ワンド常務取締役 |
演習③(18:00~19:30) 「食ビジネス事業計画作成」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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12月6日(木) | 演習④ 「事業計画のブラッシュアップ」 |
白石幸雄氏 株式会社日本政策金融公庫 弘前支店長 |
演習⑤ 「事業計画をまとめる」 |
石塚哉史 弘前大学農学生命科学部教授 |
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1月9日(水) | 成果発表会・修了式 |
実施内容
第1回講義 食品マーケティング①(ブランド)
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:10月22日(月)16:00~17:30
講義では、まずブランドについての説明がなされた後、地域ブランド農産物に関する施策として地域団体登録商標制度、地理的表示保護制度等について解説があった。その後、食品のブランド戦略の特徴について事例をもとに論じられた。
第2回講義 グローバル時代の製品・販売事業戦略
―海外市場に挑戦する日本産農林水産物・食品の輸出から学ぶ
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:10月22日(月)18:00~19:30
講義では、農林水産物・食品を取り巻く情勢の変化について解説があった後、農林水産物・食品輸出支援政策がどのように行われているのかについて述べられた。また、最近の農林水産物・食品における輸出動向についても述べられた。その後、ケーススタディとしてカネサの味噌輸出や石橋屋のこんにゃく輸出の事例が紹介された。最後に、農林水産物・食品輸出を拡大するために克服すべき課題について論じられた。
第3回講義 食品開発の基礎
講師:弘前大学農学生命科学部 准教授 前多隼人氏
日時:10月29日(月)16:00~17:30
講義では加工食品開発で大切なこととして食中毒対策等について論じられた後、食品と医薬品の違いをとおして食品の機能性表示が難しいこと、食品の栄養成分表示や機能性食品の区分、そして食品の機能性の評価法などについて論じられた。最後に、青森県を代表する野菜を使った加工食品の事例が述べられた。
第4回講義 あずましくじょっぱる経営戦略
講師:有限会社田向商店 代表取締役 田向常城氏
日時:11月15日(木)16:00~17:30
講義では、青森県地域産業資源アブラツノザメ頭部軟骨の健康食品化、高度付加価値製品ブランド化事業、本学との共同研究・共同特許出願、マリンエコラベルの取得、HACCP(ハサップ)認証等々への対応を通じて、粘り強くくじけない経営戦略について論じられた。
第5回講義 美容師からもの作りへ
講師:株式会社エイ・ワンド 常務取締役 高森暖氏
日時:11月15日(木)16:00~17:30
講義では、美容師として働いていた経歴やりんごを使用した石鹸や商品企画開発、販売など、起業に至るまでの歩みを紹介した後、ふるさと青森や青森県産素材への想いについて述べられた。また、商品開発から販売までの難しさ、お客さまへの想いや商品に対する強い想いが重要であることが論じられた。
演習① 食ビジネス事業計画作成─売れる製品を開発するための思考─
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:10月22日(月)16:00~17:30
演習では、まず、商品や商品を取り巻く環境や購買行動などを踏まえ「売れる商品とは消費者が求めるものである」という商品を考える際のポイントについて論じられた。また、商品を考える際のポイントについても論じられ、売れるポイントとして「消費者ベネフィットに照準を当てること 」の重要性が論じられた。
後半は、受講生のアイデア出しを行った。
演習② 食ビジネス事業計画作成
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:11月15日(月)18:00~19:30
演習では、シーズ・ニーズのヒントやポイント等、生産・製造・流通・販売段階での付加価値化、消費者・実需者との関係づくり、販路開拓・提案力について、論じられ、東北地方における戦略シナリオの優良事例の紹介があった。
演習③ 食ビジネス事業計画作成-企画書の基本-
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:11月26日(月)18:00~19:30
演習では、事業計画を作成するにあたって、企画書とは何か、企画書の目的、企画書に必要な要素であるCTPT(コンセプト、ターゲット、プロセスの明示、ツール)について解説がなされた。最後に、受け手を納得させる企画書のポイントとして、ストーリー立てて企画内容を組むことやポイントをしぼって明確に書くことの重要性について論じられた。
演習④ 事業計画のブラッシュアップ
講師:株式会社日本政策金融公庫 弘前支店長 白石幸雄氏
日時:12月6日(月)16:00~17:30
演習では、事業計画作成について必要なポイントの解説があった後、事業計画ブラッシュアップのために、受講生の案に対してアドバイスがなされた。
演習⑤ 事業計画をまとめる
講師:弘前大学農学生命科学部 教授 石塚哉史氏
日時:12月6日(月)18:00~19:30
演習では、事業計画のブラッシュアップのために、受講生の事業計画に対して具体的な指導がなされた。