弘前大学地域創生本部では、弘前大学と包括連携協定を締結している自治体・金融機関・経済団体等が連携し、地方創生を推進することを目的として、「地方創生ネットワーク会議」を開催しています。
今年度は「2050年の青森県をデザインする」を年間テーマとし、「食と農の未来デザイン-自治体における特産物振興施策の最前線とこれから-」と題した第2回目の会議を、令和4年11月28日(月)、オンラインで開催しました。
まず、本学農学生命科学部 石塚教授から、自治体による特産品振興のあり方について、課題克服に向けた青森県弘前市、秋田県能代市、和歌山県みなべ町の現場で蓄積された知見が、地域の客観的な提言や実効性のあるプロジェクトのプランニングに有効と想定されることから、中長期的視点からの議論を深めたいとの今回の会議趣旨について、説明があり、続くパネル報告では、弘前市農林部りんご課企画政策係長 榊 真一氏より、弘前市の重要な基幹産業である「りんご産業」について、生産現場での人材不足、就業人口の減少といった課題解決のため、市職員によるりんご生産アルバイトの兼業推進、1日バイトシステムの構築といった先進的事例について報告いただきました。
能代市農林水産部ねぎ課課長の佐藤 栄一氏からは、ねぎ栽培産地として「ねぎ課」を設置し、「白神ねぎ」のブランド力向上、生産拡大や主要産業として展開していく中で、経営の安定化や労働力の確保といった課題解決に取り組んでいることの報告がありました。
みなべ町うめ課課長 平 喜之氏からは、歴史ある梅産業ではあるが消費拡大が課題となっており、災害用備蓄品としての導入をPRしたり、「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産認定による認知度向上へ向けた取組などの報告がありました。
生産だけにとどまらず消費も含めた、さらには観光も併せたパッケージ化など、各自治体が多角的な取組をしている一方で、3自治体共通の課題である、労働力に関しても様々な取組を展開していることがわかりました。
その後行われたパネルディスカッションでは、他自治体の事例についての質問、労働力確保や後継者育成について他自治体の取組を参考にしたいとの感想、また、参加者から気候変動対策についての質問が出るなど、活発な会議となりました。
地域創生本部では、今回得た知見を、広く地域へ還元し、今後の自治体等との連携にいかしていくことを目指します。