令和4年8月18日(木)に今年度第5回目となる連携推進員定例ミーティングを実施しました。
第5回ミーティングでは、通年テーマの「2050年の青森県を考える」の各論編の第1弾として、「産業・雇用分野における最新動向と課題」をテーマに、農学生命科学部・前多隼人准教授からのレクチャーを受けました。
そのうえで、「県産食材の付加価値を高めるためには、どのような取り組みやビジネスが必要か」というテーマで、グループごとに分かれてアイデア出しとディスカッションを行いました。ディスカッションでは、下表のとおり様々な視点からのアイデアが出され、前多准教授からは、青森県での現状のブランディング戦略において欠けている部分はどのような点か等、参加者に対してコメントや問いかけがありました。
今回のディスカッションでは、県産食材の付加価値向上は、「産業・雇用」分野の活性化に加えて、下表でも複数指摘されているように、「健康」分野とも深く関係することが確認されました。次回ミーティングでは、「安心・安全、健康分野」を取り上げ、引き続き議論を深めていきます。
<県産食材の付加価値を高めるために考えられる取り組みやビジネス>
視点 | 具体的なアイデア |
SDGsへの対応 | ✓ 廃棄物の少ない生産方法の採用 ✓ 農福連携など、生産体制に多様性を取り入れる ✓ 気候変動に対応した作物・品種選定 |
ヘルスケア分野との掛け合わせ | ✓ 高齢者のみならず、食育とも掛け合わせ、子どもの健康に資する食品開発を行う ✓ 健康に寄与することのみならず、健康に「害」がないこともアピールする (無農薬農法など) |
災害分野との掛け合わせ | ✓ 災害時の非常食に活用する ✓ 水害で廃棄せざるを得ない農産物を上手く加工品に活用する |
海外輸出の促進 | ✓ 輸出コストに見合う付加価値を付ける(リンゴも生果のみならず加工が必要) ✓ 日本産の中で、特に「青森県産」を海外で認知してもらう ✓ 海外にも安全性重視を強くアピールする ✓ 今後平均寿命が伸びてくる東南アジア等向けに、ヘルスケア×食で売り込む ✓ ヘルスツーリズムとも掛け合わせる |
PR促進のための工夫 | ✓QRコードで商品に関する情報が簡単に閲覧できるようにする ✓カロリー表示など、消費者が気にする情報が目につきやすいパッケージデザインにする ✓生産者の顔写真と合わせてPRすることで、安心・安全をアピールする (「漁師カード」のような遊び心を取り入れる) |
付加価値向上に向けた体制整備 | ✓ 県産業技術センター、大学、金融機関、行政などが連携し、農家に最新技術を提供する体制を整備する ✓ 県内で加工までを一貫して行うことができるよう、発酵・熟成等、大規模施設を必要としない技術を活用する |
グループワークの様子