弘前大学連携推進員 第2回定例ミーティングを開催しました

更新日 2022.06.16

令和4年5月19日(木)に今年度第2回目となる連携推進員定例ミーティングを実施しました。

第2回ミーティングでは、2050年の青森県の姿を「問題深化型地域・大学連携」の枠組みで考えていくこととなりました。現在世代のみならず、将来世代の存在を意識するフューチャー・デザインの考え方も援用しながら検討していくにあたり、今回のミーティングでは、その前提条件として想定するべき「人口減少」について、議論を行いました。

議論の際には、人口減少について一般的に指摘される事項から始めるのではなく、各所属組織等における実感や問題意識を言葉にし、共有することを目指しました。

具体的には、県内自治体における将来人口推計等のデータを手元に置きつつ、人口減少とは具体的にどのような状態になっていることであり、どのようなことが危機なのかについて、各所属組織等の視点を踏まえたグループディスカッションを行いました。

3つのグループに分かれて議論を行った結果、人口減少のデメリットについて、行政・民間双方の視点から、「行政サービスの質・量の低下」、「消費経済の縮小」、「企業や農家の後継ぎ不足」、「創発性や「面白さ」の低減」といった点が指摘されました。

他方で、人口減少のメリットや、むしろ強みとして活かせる部分として、「環境負荷の低減」、「インフラ維持コストの低減」、「テクノロジー導入の促進」、「食料生産の優位性発揮」、「必要に迫られた若年層の活躍」、「地域コミュニティの結束」、「移民や多様な働き方の労働者の受け入れ可能性」といった点が指摘されました。

また、青森県の人口減少を考える上でのスケールとして、特に行政の視点からは「圏域」が重要であるとの指摘もなされました。

 

<人口減少のデメリットとして考えられる点>

行政サービスの質・量の低下 ●自治体に対する交付金が減少し、自治体として実施可能な事業や提供可能なサービスが減少するのではないか。
●青森県では、広域行政化が求められる中で、「圏域」の単位が施策立案上重要である。
例えば鯵ヶ沢町と三戸町の人口推計を見ると、現在は同程度であるが、2045年は鯵ヶ沢町が大幅に少ない。この差は、五所川原圏域と八戸圏域の社会経済環境の差に起因すると考えられる。
●医療サービス等の供給も圏域単位で進められている中、人口減少によって圏域間のバランスが悪くなることは、大きなデメリットではないか。
●子どもの減少により、学校や地域での活動を通じた体験機会が減少する。
消費経済の縮小 ●人口減少に伴い、経済の動きが鈍くなるのではないか。
●消費する人が減ることで、お金が回らなくなる。
企業や農家の後継ぎ不足 ●農家や企業の後継ぎがおらず、廃業せざるを得ない状況が既に生じている。
●集落単位での活動の担い手が不足し、活動が継続できなくなっている。また、地域に空き家が増え、維持管理が大変になる。
●経済の悪循環の中で、働き盛りの世代に大きく負荷がかかる。
創発性や「面白さ」の低減 ●人口減少にともない、変化に対応しにくい状況が生じる。
●人口減少により、少ない人数で地域を回すのが大変になり、地域の将来を考える余裕がなくなったり、新しいものを生み出す力が低減したりする。
●人口減少が進むと、人と出会う機会が少なくなってしまう。外出した時に人がいないこととなり、わくわくさや面白さがなくなってしまう。
●やりたいことにチャレンジできる機会が少なくなるのではないか。

 
<人口減少のメリットとして考えられる点>

環境負荷の低減 ●人口減少によって、CО2の排出量が減り、環境負荷が低減することも考えられる。
インフラ維持

コストの低減

●現在の街をそのまま維持するのではなく、コンパクト化すれば、インフラ維持コストも低減するのではないか。
テクノロジー導入
の促進
●人口減少下においても産業を維持するために、テクノロジーの導入や技術革新が進むのではないか。
●例えば公共交通機関も自動運転が導入されれば維持可能であるし、人と人のつながりも、地域に人がいなくても、SNSによって世界中とつながることができる。
●農業分野でも、技術革新により作業の身体的負担が軽減されれば、チャレンジする人も増えるのではないか。
食料生産の
優位性発揮
●世界的には人口増加が続いており、食糧不足も見込まれる。青森県は食料自給率が高いことから、人口減少が進めば余剰分の食料の輸出も可能となる。
●また、昆虫食等、食料生産技術自体を輸出することも考えられるのではないか。
必要に迫られた若年層の活躍 ●人が少ないからこそ、若年層が必要に駆られて起業したり、組織のトップに立ったりすることもある。
地域コミュニティの結束 ●同級生が6人の学校に通っていたが、人口が少ないからこそのコミュニティの連帯感があったと思う。
移民や多様な
働き方の労働者の
受け入れ可能性
●世界的な人口増加が進む中で、青森県において人口減少が進むのであれば、移民の受け入れを検討する余地も生じるのではないか。
●勤務地にこだわらないテレワークが浸透すれば、大卒後、東京に本社がある企業で、青森に住みながら働くことも当たり前になるのではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動の様子

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