弘前市と共催し、令和3年1月7日(木)・三和放課後児童会、1月16日(土)・致遠児童センターで第2回放課後の子どもの居場所づくりを考える研修会・講師訪問型研修~感覚造形あそび 紙コップランド~を開催しました。
当初、三和児童会と致遠児童センターでの開催は予定されておりませんでしたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、学校行事や放課後の遊びにもさまざまな制限が加わったことによる、子どもたちの心身に過重なストレスがかかっていると懸念する声が各所から寄せられたことを受けて、本学と弘前市が協議をして、急遽実施することとなりました。
本学の深作拓郎氏(教育学部 講師 兼 地域創生本部 地域創生人材育成部門 部門員)が、講師となり、約17,000個の紙コップを使用して造形遊びを行いました。最初は個人で高く積む練習からはじまり、次第に友だちと試行錯誤しながら、工夫をして、高いピラミットや丸いタワーを制作していきました。その後、子どもたちが選んだ2つのタワーを残して、ほかのタワーは一斉に崩しました。崩れるときの「音」や「崩れ方」を楽しんだあとは、残したタワーを中心に、「紙コップの街(紙コップランド)」を創っていきました。三和児童会の子どもたちは、会場が広かったこともあり、それぞれの場所に散らばりお城や「タピオカカフェ」などのお店などが創られました。2年生の男児らが中心となり、2つのタワーの間に大きな交差点と信号機をつくり、そこから高速道路も各所へ延伸させていきました。致遠児童センターの子どもたちは、競うように円柱状のお城が多数作られたほか、「自分が住めるお城をつくる」といって、一人で黙々と城づくりに励む男児、高学年の男児3名は「旅行に行きたいから」と大きな船、低学年の子どもたちはファーストフードの「ドライブスルー」などを制作していました。
終盤に入り、深作講師から「せっかくだけど作ったものをやさしく崩して、紙コップを全部つなげてみよう。何ができるかな?」と声がかけられると、子どもたちは、自分たちが制作したものを一斉に崩して、紙コップ繋げていきました。全部繋げて大きな輪になったところで、深作講師が「何に見える」と問いかけると、三和児童会の子どもたちは「温泉」。致遠児童センターの子どもたちからは「うどん」との声が。
造形あそびを通して、一人ひとりの考え方や感性の違いを認め合うとともに、みんなで知恵を出し合い工夫し合うことで、できることがより一層広がっていくことなどを実感することができました。また、いつもとは違う子どもたちの表情、普段は一緒に遊ばない子同士が協力し合っている姿を間近で観た職員らからは、「遊びが持つ独自の教育的価値を考える機会となるとともに、子どもたちの持つ力を引き出す環境づくりや言葉がけの工夫が大事であることを学んだ」と感想が寄せられました。