【教育】正解のない教育に挑戦|弘前大学 地域創生本部

地域特性を活かした施策
地域活性化施策の企画・立案

【教育】正解のない教育に挑戦

Acali

6次産業化とグローバル化を推し進める
先生と生徒が生み出す新しい教育

加藤佑也

高校教師 加藤佑也さん

学校の先生といえば、学校教育の中で学ぶべき科目を生徒たちに修得させることが最大の仕事となる。しかし、日々の変わりゆく社会の中で、必要とされる学力、能力にも変化が求められ、先進的な取り組みをしている学校も多い。

五所川原農林高校は通常の普通科目に加え、農業や林業についての技術や知識を習得するための専門学科が存在するが、農作物の生産だけではなく、その後の加工、流通・販売という6次産業化の工程や農業のグローバル化を生徒が実践している。

二人三脚で学ぶ社会の仕組み

加藤佑也

食品科学科主任の加藤佑也さんは「農業は正解のない教科であり、まずは生徒と一緒に考え、やってみることがスタートだった」と語る。やみくもに行うのではなく、地域の需要や課題を題材に企画を立案し、具現化するために地元食品加工業者に協力を仰ぎ、実際に流通・販売し、その検証を行う。ビジネスにおける「PDCA」が教育の現場でしっかり行われているという。

一例として、生徒が考案した「こめコメこめ粉メン」(以下:こめ粉メン)は、「手法や手段は教師がサポートする」というように、きっかけこそ地元の米の有効活用であるが、青森県民は麺好きという食文化と塩分の過剰摂取というリサーチ結果から、米を使ったヘルシーな麺を作れないかと生まれたプロジェクト。パッケージデザインも生徒が担当し、地元の米生産加工業者と麺類製造販売業者とのコラボで製品が完成した。

製造実習ではそのこめ粉メンを使ってどのようなレシピを作れるかを考え、実際に作ってみる。「実習中は口を出さず、生徒たちが試行錯誤する姿を見守る。完成したレシピを実食し、自分たちで何かを感じ、その経験を踏まえて次のステップに進むことが大事」と加藤さんは話す。

生徒たちを支援するのは先生だけでなく、恵まれた自然と環境にもある。豊かな土壌で美味しい農作物を育てるだけではなく、農薬の管理から廃棄物の処理方法まで安全面でも徹底する取り組みは世界でも高く評価され、2015年12月には日本の高校として初めてGLOBAL
G.A.P.の認証を受け、2016年にはGLOBAL G.A.P.大賞を受賞した。

加藤さんは、「『学業と6次産業化やグローバル化』ではなく、学業の中に6次産業やグローバル化があるという認識でやっている。失敗して何かを得るという形は社会の現場につきもの。生徒がどのような進路に進んだとしても、『あの時に学んだ内容が生きている』と思ってもらえるようにこれからも取り組んでいきたい」と語る。食料自給率120%を超える青森ならではの教育現場に加藤さんは充実した表情を見せていた。

加藤佑也

加藤佑也さんからのメッセージ

  • 「6次産業化やグローバル化も経験の一部であり、人生の選択肢になることが大事」と語る

加藤佑也

  • 青森県黒石市出身
  • 勤務先:青森県立五所川原農林高等学校

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