グローバルマインドとはなにか 【2】|弘前大学 地域創生本部

地域特性を活かした施策
地域活性化施策の企画・立案

グローバルマインドとはなにか 【2】

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教育学部 音楽教育講座 今田匡彦先生に聞く

今田匡彦

今田 匡彦

弘前大学 教育学部 音楽教育講座 教授

専 門 音楽教育学
研究テーマ 音楽教育、サウンドスケープ、身体教育学
授 業 音楽科教育法Ⅰ、芸術文化概論
芸術学の基礎など

グローバルマインド【ルーブリックより】

  • 異なる価値観をもつ人と積極的に関わり、共生・協働できる

3.国際学会に挑戦しよう

———国際学会の話がでましたが、今田先生は学生を国際学会に積極的に連れ出していると聞いています。その狙いはどこにあるのでしょうか。

今田匡彦

今田:私自身も留学から学んだことはとても大きいです。そして、この学びを弘大の学生たちにも伝えたい。だからこそ学生を国際学会に積極的に連れだしています。

 実は学生を国際学会に連れていく準備が整うまで、10年ほどかかりました。前提として、私自身が国際学会でしっかりと研究活動を行い、国際的なネットワークを作りました。次に、学生を国際学会の見学に連れて行き、様々な先生たちと交流させるように心がけました。あわせて、この過程で、先輩学生が後輩学生にアドバイスをするようなピア・サポートのような仕組みも作ってきました。そうしてようやく、国際学会での発表に挑戦させたんです。

 今のところ、学生たちは、つたないながらも何とか英語で発表し、プロシーディングス(発表要旨集)を書いています。もちろん学生にとって大変なことだとは思います。

 国際学会と言う名前に気後れする学生もいるかもしれない。しかし状況が整えば、弘大生は国際学会で発表できる力を十分に持っていると思います。国際学会と言えども、発表会場には指導教員もいるし、同じ研究室の仲間もいる。更には、昨晩懇親会で指導教員から紹介された教員たちも会場に来てくれている。そういった状況を作れば、学部生だって国際学会でしっかりと発表できるようです。

 いきなり知り合いが一人もいないような国際学会に学生を放り込むようなことをしても、なかなか成果は出ませんし、自信も着かないと思います。しかし、教員あるいは大学側がしっかりと下準備をすれば、弘大生なら国際学会で発表する力はあります。

 大学は、学生たちに国際学会で活動するチャンスを今まで以上に提供するべきです。そして学生たちは、そのチャンスを逃さずに国際学会での発表に挑戦して欲しいと思います。

4.ローカルをシェルターにしないために

———挑戦はグローバルマインドを養うための一つのキーワードかも知れません。

今田匡彦

今田:様々なことに挑戦し、いろんな世界を学んでいくことで、自然と物事を多角的に見るようになっていきます。「これが世の中のルールだ」とか「これが人生の本質だ」とか思い込んでいたものが、一握りの人間の思い込みにすぎないかもしれない。このような気付きは日常においても可能ではありますが、やはり国境の壁を超えて新しい世界を知ることで体験的に学ぶ方が一般的でしょう。

 もしこのインタビュー記事を読んでいる学生が、自分の居場所とも言えるような土地、文化圏、コミュニティを持っているとすれば、それはとても幸運なことです。その場はみなさんにとっての「いつか自分が帰ってくるホームベース」として大事にして欲しいと思います。

 しかし、そのローカルな場に引きこもるのはやめて欲しい。自分にとっての居場所は自分が引きこもるための「シェルター」であってはならないと思います。そこから世界に飛び出し、そしていつかまた帰ってくるような「ホームベース」であるべきです。

 子どものころ、自分の育った家庭や地域を飛び出して、今まで見たことのない世界を味わった時のことを覚えていますか。その日、きっと本当に楽しい経験を味わって、クタクタになるまで遊びまわったと思います。留学だってなんだって同じことです。自分のホームベースを飛び出せば、疲れるけど楽しいんです。学生たちには、ホームベースとしての弘前大学あるいは青森を大事にしつつ、そこから飛び出して大いに世界を駆けまわって欲しいと思います。

(文中敬称略)
(聞き手・編集:COC推進室 西村君平)

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