近年、青森県から大きな発信力を携えて活躍する若手起業家が増えています。彼らに共通する特徴は、地域の魅力を国内外の消費者につなぐサービ機能を事業化し収益に繋げている点です。地方創生にはこうした起業家人材が必要です。
そこで本事業では、このような人材を「じょっぱり起業家」と捉え、これを目標とする人材像とした教育プログラム開発を行い、青森の魅力を高めるサービス産業起業家人材の育成を目的に実施します。
事業概要
プロジェクト名
めざせ!じょっぱり起業家。青森の魅力を高める中核人材育成事業
近年、青森県から大きな発信力を携えてサービス産業分野で活躍する若手起業家が増えている。彼らは諦めない強い精神と強い郷土愛を持った起業家である。
ここでは彼らを「じょっぱり起業家」と呼び、目標とする人材像としている。
本事業は青森県の潜在的な魅力である観光産業や食産業において活躍するじょっぱり起業家を育成する教育プログラムを開発し、弘前市の他、高等教育機関のない地域で実施することを目標としている。
実施体制
体制・役割分担
事業の実施主体 | 国立大学法人弘前大学 |
---|---|
じょっぱり起業家育成検討委員会 | 本事業の根幹をなすもので、じょっぱり起業家、大学教員、地域金融機関、自治体からなる産学官金によって構成される。委員会の役割としては、サービス産業起業家育成プログラム(以下、プログラムという)の方向性、部会の開発したプログラムの評価、プログラム実施後の評価、改善などを審議する。 |
観光産業プログラム部会 | 観光産業に関わる人材育成に必要なプログラムの作成、実施、評価を行う。構成員は上記委員会から選出する。 |
食産業プログラム部会 | 食産業に関わる人材育成に必要なプログラムの作成、実施、評価を行う。構成員は上記委員会から選出する。 |
協力地域企業 | カリキュラム実施のためのフィールドの提供や、学生と一緒に活動することで地域の魅力、地域企業の魅力などを学生に伝える。 |
専門家 |
大学教員は経営学を基盤としたサービス企業経営に関わる理論教育を担当する。 特任教員は実務の経験を踏まえた実践的な教育を担当する。 |
外注業者 | じょっぱり起業家の授業を撮影し、DVDを制作する。製作された教材は、e-learning教材として活用できるようにする。 |
開発されるカリキュラムを産業界が評価する仕組み
プログラムの有効性は、じょっぱり起業家育成検討委員会で報告し、評価を受けることとしている。また、実習の成果発表会などにじょっぱり起業家育成検討委員会委員を中心とした産業界から審査委員を招き、学生の活動報告を評価してもらうこととしている。
事業終了後(平成30年以降)は、じょっぱり起業家育成検討委員会を改編し、サービス経営人材教育評価委員会(仮称)として、開発されたカリキュラムの評価を行う体制を整備する予定である。
平成27年度との違い
- コンソーシアム内に新たに部会を作り、主に「観光産業」と「食産業」の2つの産業におけるプログラムづくりを加速化する。
- 協力地域企業を新たに加え、本事業での位置づけを明確にした。
- 起業家系の教材開発(e-learning実施のための環境整備)を進めることとし、外注業者を含めることとした。
担当教員
人文学部
教授 | 森 樹男(もり たつお) |
---|---|
准教授 | 髙島 克史(たかしま かつし) |
准教授 | 大倉 邦夫(おおくら くにお) |
特任教授 | 大浦 雅勝(おおうら まさかつ) |
特任准教授 | 西谷 雷佐(にしや らいすけ) |
協力企業
協力企業一覧
企業・団体名 | 業種 | 役割 | |
---|---|---|---|
1 | Yプロジェクト株式会社 | 地域産品企画販売業 | 観光産業系人材育成プログラム開発 授業講師 |
2 | 特定非営利活動法人ACTY | 旅行業 | 観光産業系人材育成プログラム開発 授業講師 |
3 | 公益社団法人弘前観光コンベンション協会 | 旅行業 | 観光産業系人材育成プログラム開発 授業コーディネート 授業講師 |
4 | 星野リゾート青森屋 | ホテル業 | 観光産業系人材育成プログラム開発 授業講師 インターンシッププログラム提供 |
5 | 合同会社西谷 | 旅行業 | 特任教員 観光産業系人材育成プログラム開発 授業講師 学生指導 |
6 | ブナコ株式会社 | 工芸品製造販売業 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 |
7 | 企業組合でる・そーれ | 地域産品企画販売業 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 学生指導 |
8 | 株式会社あおもり海山 | 水産品加工販売業 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 |
9 | 特定非営利活動法人プラットフォームあおもり | 人材育成業 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 インターンシッププログラム提供 |
10 | 株式会社楽天野球団 | 娯楽業 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 インターンシッププログラム提供 |
11 | 地方独立行政法人 青森県産業技術センター弘前地域研究所 | 行政 | 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 |
12 | 株式会社コンシス | ITサービス業 | 特任教員 食産業系人材育成プログラム開発 授業講師 学生指導 |
13 | 株式会社青森銀行 | 金融業 | 起業家人材育成プログラム開発 授業支援 |
14 | 株式会社みちのく銀行 | 金融業 | 起業家人材育成プログラム開発 授業支援 |
15 | 青森県企画政策部地域活力振興課 | 行政 | 起業家人材育成プログラム開発 助言 |
16 | 弘前市 | 行政 | 起業家人材育成プログラム開発 助言 |
プログラム
サービス産業起業家育成プログラム
背景
弘前大学が立地する弘前市は次のような状況にある。(『弘前市まち・ひと・しごと総合戦略』(平成27年9月)より)
- 「市内大学生の県内就職率」は36.7%(H26)であり県外就職者が半数以上となっている。
- 弘前市への「新規企業誘致、新増設件数」は0件(H26) であり雇用の受け皿が弱い。
- 起業への関心は高いが、弘前市の「起業・創業者数」は23件(H26)に留まっている。
開発するプログラムの目的
- 青森県を愛し、青森県のモノに拘り、それを国内外に発信するサービス関連事業をおこなう起業家である「じょっぱり起業家」を「目標とする人材像」とした教育プログラムの開発
- 青森の魅力を高めるサービス産業起業家人材の育成
- 学部改組による弘前大学人文社会科学部企業戦略コースに設置
- 若年雇用者の青森県内定着。青森県の雇用状況改善。将来青森のために何かしたいと思っている高校生に夢を与える。
- 青森県内の大学と成果を共有、県全体で「じょっぱり起業家」を育成する体制構築を目指す。
- 「共育型インターンシップ」(学生の成長だけではなく、企業にとってもメリットのあるインターンシップ)を構築。学生、地域企業、大学の間でのWIN-WINの関係づくりへ。
習得すべき能力
- 夢を現実の目標に変換できる能力
- 青森県の特徴や歴史を理解し、地域の魅力を発掘できる能力
- 青森県の課題を解決し、その解決方法を具体的な事業計画として提示できる能力
- 立案した事業計画を実現する能力
事業報告書
平成28年度事業成果報告書
平成27年度事業成果報告書
「大学生のチャレンジ2015」報告書
弘前大学人文学部ビジネスシミュレーション実習Ⅱ・Ⅲ
課題解決型学習と学生の主体的な学びー大学生のチャレンジ2015ー報告書
2016年3月,弘前大学人文学部経済経営課程経営学コース